気づいたら私の頬は涙で濡れていた。
「そうだったんだ……。
俺も元カノと遠距離って点は同じだったし
分からなくもないよ。
遠距離なる前からそうだと言っても
物理的距離は結構影響あるからね」
彼はそう言いながら
ナプキンを渡してくれた。
涙を拭っていると
注文したパスタが運ばれてきて
良い匂いに
少しだけ気持ちが落ち着いた。
「なーんだ、すごい好きじゃん」
「……ぇ?」
彼は片方の口角を少し上げてそう言った。
「嫌いで別れようとしてないじゃん。
俺の時との違いは想いの有無だね。
俺はもう気持ちがなくなってたからさ…」
今まで意識してなかったけど
彼からそう言われて
彼のことがすごく好きだからこそ
私は別れようと思ってたんだと
この時初めて認識した。