「でもちゃんと考えなきゃなと思います。
オッパと仲直り出来たし
一つ一つ解決していかないと……
………自分が撒いた種ですから…」
ここでちゃんと自分のこれからのことを
考えて責任持って行動しないと
私も成長できない。
自分に言い聞かせるようにそう言って
下唇を噛む。
すると彼は
体勢を立て直すように座り直して
「モヨナ。
もちろん最終的には
自分で考えて決めてくれたら良いんだけど…
俺の意見も……言って良い?」
と伺ってきた。
私と腹を割って話をして
彼も考えを変えたみたいで
考えていることをちゃんと
伝えてくれようとしているのが分かったから
私はしっかりと頷いた。
意見を言うとすれば
現時点での事務所の対応を見てると
モヨナはすごく追い詰められてるよな…。
モヨナが実際にアイドルになったとする。
そしたら今よりもっと
練習もスケジュールも過酷になるだろうし、
異性人気をとらなくてはいけないから
モヨナの過去を知らない人間から
傷つけられるかもしれない。
嫌でも嫌って益々言えなくなるだろうし…。
そう考えると、今のうちに辞めた方が
良いのかなと俺は思う」
彼の言うことには説得力があった。
私の意思が弱いのもあって
今は確かに
事務所に追い詰められている感じだった。
影のある世界にこのまま
平和に居続けられる自信もない。
でも事務所に言われるように
モデルだけでは生計が立たないのは確かだ。
そういうことも考えなくてはいけないから
私は思いきって行動できずにいた。