「辛かったな……。
ダイエットも過酷だっただろ?
俺が代わってやりたいよ……」
涙も落ち着いた頃
彼は私の二の腕を擦ったり
頬に手を添えたりしながら
困り顔で私を見つめていた。
至近距離でこんなに見つめられるのは
本当に久しぶりで
すごく恥ずかしかったけど
心配してくれる人がいるって
ホントに幸せなことなんだなぁ……
そう思った。
この世界では当たり前のことだからか
誰にもそんな言葉を
かけてもらったことがなくて
彼の言葉が
今の私にはすごく嬉しかった。
「オッパだって………少し痩せました」
「俺はいいの。
でもモヨナは心配……」
「私は元々太ってたし……。
オッパが心配です」
「モヨナは太ってたことないでしょ。
でも芸能界って異常に細さを求めるから
心配なんだよ……」
「うーん…………そうですね……
頑張って痩せても
まだ足りないって言われますからね…
最初ビックリしました。
過酷さが想像以上で……」
心配のし合いをしながらも
分かり合えることだったから
ちょっと穏やかな雰囲気になって来たな……
そう思い始めた時
「ねぇ…………モヨナは芸能活動続けるの?」
彼は突然
核心をついたようなことを問い掛けてきて
ドキッとした。