お互い少し喧嘩口調になってきて
ハッとした。
「じゃああの時……
どうしてオッパは機嫌悪かったんですか……」
冷静にならなきゃと思って
息を吐いて
努めて落ち着いた口調で
彼にそう問い掛けた。
きっとオッパは仕事に疲れてて
私の悩みを聞いてる余裕もなかったとか
そういうことなんだろう……
サセンもすごいみたいだし……
仕方のないことだよね……
彼の立場になって理解しようと
考えを巡らせていると
彼は一息ついて
下を向いて話し始めた。
「俺………あの時……
モヨナが外に出ることに焦ってた…」
予想外の言葉に、理解が追い付かず
私は固まってしまった。
「………」
「俺…………ホント勝手だよな………。
俺自身すごくそう思う。
モヨナには自由に外に出て欲しいって
言ってる癖に
いざ外に出るってなると
嫌だって思ってる自分がいる……」
思いも寄らない彼の本音に
私は一瞬にして言葉を失ったのだった。