彼との別れ際








来る時からフラフラなのに


泣き疲れて更にフラフラになってて




彼に支えられるようにして車を降りる。










「あ~心配……
あ~送っていきたい……
あ~僕の隣にずっと置いておきたいぃ…
それよりあ~早くご飯食べさせたい…」




「だ、大丈夫だよ…」




「だって一人で歩けてないもん。
ちょっと…ちょっと待って…
せめてタクシーで帰ろう。
呼ぶから待ってて」








彼は私の身体を片手で支えながら



電話を掛け始める。










「一台、△△スタジオの地下駐車場に…
……あ、はい。
降りて来れるよう言っときますんで。
女性一人です。
あの、彼女具合悪いので
アパートの入り口まで
連れ添って貰えますか?
あと途中でお粥とかも買っていただけると…」





タクシーに随分色々と要求してたから


そこまでしなくて大丈夫なのにな…
と思っていると








電話を切った彼が一人







「あ~でもそれだと
コリンの体触っちゃうじゃん!
ダメだそれは……
やっぱ僕が行こうかな…」



と百面相をしていて
ちょっと笑いそうになった。