大学の構内は
誰でも入れるようになっていて
所々に集団がいる賑やかな構内を眺めながら
見つけたベンチに一人腰を下ろした。
僕は足を運んで通うような大学に
行かない選択をしたけど
大学というものにはすごく興味があった。
日本の大学は初めて見るけど
学生が沢山居て
みんな自由なファッションをしたり
サークル活動のような集団もいるし
みんな楽しそうに会話をしている様子に
ちょっと羨ましく思った。
もしさくらと同じ大学に通ってて
同じサークルの先輩後輩だったらとか……
彼女の留学先に僕がいて……とか
色々と妄想が膨らんだ。
そんなことを思いながら
学生を眺めていたら
突然校門からドタドタと
女子学生が全速力で走ってきて
思わず目で追った。
周りの様子と比べると
すごく異質な雰囲気だったから
僕だけでなく何人かが振り返っていた。