「や……さっき店長さんに
サービス券いただいたので……」
そう断ろうとしたら
「私個人的にです。
正直……すごく怖かったんです……。
助けを呼びたかったけど
呼べなかったから……。
だからホントに感謝してて…」
彼女は少し目を潤ませてそう話していて
僕は不覚にもドキッとした。
「じゃあ…………
チョコじゃなくて……
お友達…………
僕たちお友達になりませんか?」
気づいたらそんな言葉が口から出ていた。
「………ぇ?」
彼女は驚いた顔をしていた。
「ここで会ったのも何かの縁ですから…」
僕はそんなことを言って
彼女のエプロンのポケットから
先が見えてたペンを勝手に取って
紙がなかったから
さっき店長から貰ったサービス券の裏に
僕のLINEのIDを書いた。
「良かったら連絡してください。
あ………他の人には教えないで下さいね」
そう言って渡すと
彼女は躊躇しながらも受け取ってくれて
その紙をじーーーっと見ていた。