俺に彼女がいるってバレたらマズいし


そしたら彼女に
迷惑がかかるかもしんないから
気をつけなきゃいけないんだけど






彼女と歩くこと自体は
全く恥ずかしくないし

寧ろ自慢したいくらいだし。












考えてることの違いで生まれた温度差が


今のこの歩くスピードに現れてるのが
ちょっと面白くて



なんか緊張が解れた。












行き先も分かんない癖に
サッサと前を歩く彼女に笑いながら





「そこ右」と後ろから指示を出しながら
店に向かった。




















予約してた店に着き
中に入ると




店長が出てきて






「ミン様、お待ちしておりました」


と丁寧に迎えられた。










店員さんに案内されていると


彼女は内装をキョロキョロと見ながら
俺についてくる。







「なんか……すごい……ね……。
こんなとこ……来れるユンギに……
ビックリ……」










予約した店は
以前仕事の打ち合わせで使った
中華料理店で






料理は旨かったし


芸能界御用達の全個室の店で


いつか彼女を連れて来たいと思っていたから
ここを選んだ。











「仕事で1回ここ来て、旨かったから
お前を連れて来てぇなって思って…。
ここは基本個室だから
芸能人御用達らしいし…。
誰と会ってたとかのプライバシーも
厳しく守ってくれる。
だから色々気にするお前も
心配ねぇかなって…」