「あ、俺。
仕事……終わった?」





「うん。
どうしたの?
こんな時間に珍しいじゃん」








彼女はやっぱり驚いているようだった。











「あ?ん………なんとなく……。
今休憩で………なんか作曲も進まねぇし
気分転換…」






「そっか……。
今カムバの準備中?」






「そう。公開前だから踊り込んでる感じ。
んで次の曲にもう取り掛かってる」














そうやって少し仕事の話をしてたけど







彼女は
俺がなんでこんな時間に
電話を掛けてきたのかって


不思議に思ってんだろうなぁと思って










そろそろ本題……


週末に会えるか
聞いてみようと思ったその時










彼女の声の後ろから





「シセリさーん!
ごめん!だいぶ待たせた!」


という
少し高い感じの男の声が聞こえてきた。












えっ とビビっていると







彼女は慌てた感じで



「あ、ごめんユンギ。
また連絡するね」



そう言って










ブチッと電話を切られた。