それからまた1週間が経ち
彼女から電話があった。
「あ、オッパ……
今大丈夫ですか…?」
「うん、大丈夫だよ~
どした?」
「あの………この間の撮影のデータ
いただいたんですけど……
SNSとかで送るの禁止されたので……」
「そうなんだ。
じゃあどっかで会う?」
「ぇ………?」
じゃあ仕方ないから見ないなんてこと
僕には出来なかった。
彼氏として
関係者以外の中で
誰よりも先に見ることは
唯一譲れないところだった。
「俺が図書館行ければ良いんだけど
今ちょっと忙しくて……。
俺の所に来てくれたらって思うんだけど…」
「あ……はい。
行っても大丈夫なんですか…」
「マスクとか付けて
裏口の方に来てくれれば。
大丈夫?来れる?」
「はい。私は大丈夫です」