仕事の休憩時間に
空いてる部屋に一人入って
名刺を元に彼女の会社に電話を掛けてみる。
「株式会社○○○○でございます」
電話口にそう聞こえた瞬間
緊張感が高まる。
「あ、キムと申しますが
経理課のチェさんいらっしゃいますか?」
「え?あ………チェは何名かおりまして…
フルネーム分かりますか?」
「あ、チェ・コリさんです」
「チェ・コリですね。
あの、失礼ですが…
キム様のフルネームまたは会社名
お伺いしてよろしいでしょうか」
そう言われて悩んだ。
俺と同じ名前の人は
世の中にはいると思うけど
バレると悪いし
彼女が出てくれないかもしれない……。
そう思った俺は
適当に口から出任せのように出た
会社名を名乗った。
「えっと~あ!
ビックヒント株式会社のキムです」
「ビック……ヒント…?の
キムさんですか?」
「そうですそうです」
相手は明らかに疑ってたけど
「分かりました。少々お待ちください」
と言う返答後に保留音が鳴ったから
ドキドキしながら待った。