彼女にはゆっくり味わってもらって
僕はその幸せそうな顔を見る。
それが僕の幸せを感じる瞬間だった。
食事を終えると彼女は
「テーブルチェックかなぁ?」
とキョロキョロしだす。
「俺払っといたから行こ」
そう言えば
「え!?」
と目を見開き眉間に皺をよせる。
「ダメだよそんなの」
と聞かないから
「じゃあ後でまとめて精算で。
待ってる人いるから早く出よ」
彼女を黙らせる決まり文句を言って
彼女の手を引いて店を出る。
僕も彼女の扱いが上手くなったな……
彼女の性格を読み
言動出来るようになった自分を
自分で褒めた。
絶景の海が見えるホテルへ向かう。
ランチの場所からは少し距離はあるけど
彼女に行き先を伝えて
協力してもらいながら
バスを乗り継いで向かった。