「ねぇ……行くって……どこに?」
「俺、もう1日プラン立てて来たんだ~」
彼女とデートが出来ることが
嬉しくて嬉しくて…
ニコッと笑って振り返ると
彼女も少し笑ってくれた。
久しぶりに彼女の笑顔を見て
僕は幸せを感じた。
彼女が戸締まりするのを待って
鞄に鍵を仕舞ったのを見届けると
僕は彼女に手を差し出す。
彼女はその手の意味が分かんないようで
キョトンとしている。
僕はフッ と笑って
彼女の手を取る。
指を絡めてぎゅっと繋ぐと
彼女の少しだけ低い体温を感じた。
あぁ…………この体温もヌナだ……。
彼女は焦ってか
少し力を入れて手をほどこうとしてたけど
僕はぎゅぅっと力を入れて
それを阻止した。
彼女は
僕と手を繋ぐこと自体が嫌なのではなく
周りを気にしてる感じだったから……。