僕は半ば無理矢理
彼女をクローゼットの前へ連れて行く。








「ほら早く早く!!」









僕に急かされて
彼女がなんとなくで手に掴んだであろう
ワンピースに着替えさせる。










「あっち行っててよ…」









恥ずかしがる彼女に





「後ろ向いてるから早く着て」


と有無を言わせない僕は最低だろう。











でも


それくらい



とにかく彼女の傍に居たかったんだ。
















「ヌナやっぱ綺麗だね……。
このワンピースすっごい似合う。
俺の好みだなぁ」













お世辞じゃない。








ホント偶然手に取った
ワンピースなのかもしれないけど





シックな色合いがなんか上品で









化粧をした彼女は
目を奪われるくらい綺麗で








「ヌナはホント美人だね。
ダメだこれは、紐つけとかないと…」






口からそう言って
少しドキドキを発散しておかないと


なんか落ち着かなかった。














彼女が

僕とのデートの為におめかししてくれて




すごく嬉しかった僕は







「じゃあ行こっか、ヌナ」








早く彼女と並んで歩きたくて



彼女の腕を引いて玄関に向かった。