そこからは一気に
あることないことで噂は広まった。
僕は冷静になろうと努めたけれど
でも僕の力ではどうすることもできない
その無力さに途方に暮れた。
僕は一先ず彼女の状況を確かめようと
彼女に連絡を取った。
「モヨナ?」
「あ、オッパ?」
電話を掛けると
彼女はすぐに出た。
「大丈夫か?
ごめんな……俺のせいで……」
僕がそう謝ると
彼女は意外にも平然としていた。
「何がですか?
オッパが謝ることは
なーんにもないはずですよ?
マネージャーさん、忙しいのに…
私をとても気遣ってくれてるので
私は平気です」
ちょっとだけホッとした。
「仕事は?」
「仕事の方は
マネージャーさんに休んだ方が良いって
言われたので
今日はとりあえず休みましたが…
さっき会社に電話して
簡単に事情を話してみたら
特に変わったことはなかったようだったので
明日様子見に行こうかなって思ってます」
そう話す彼女の声は到って普通だった。
「そっか……。
俺の考えが浅はかだった。
ホントごめん………」
でも僕は
彼女に謝ることしか出来なかった。