「連絡する。会える時は会う。
だから関係は変わんねぇから。
それだけ言いたかった」
それをわざわざ言いに来てくれたんだ…
そう思うと
すごく嬉しかった。
「分かった。
忙しいのに……わざわざありがとう」
ちょっと照れくさいけど
感謝の気持ちを伝えると
彼は満足そうに笑って立ち上がった。
「引っ越し手伝えなくてわりぃな」
「何言ってんの。
最初から頼む気ないよ」
「なんかそう言われるとムカつく…」
「や、ムカつく意味ある?」
仲良いのか悪いのか
よく分かんない私たちだけど
たぶん
お互いに思いやりを持っていて
居心地が良い。
遠距離になることに不安は尽きないけど
彼が気持ちを伝えに来てくれて
本当に嬉しかった。
もう夜は遅いし
彼は仕事があるから帰るというので
玄関で見送る。
「体には気を付けろよ」
「ユンギこそだよ。
ちゃんと寝なよ」
決して口が良い私たちじゃないけど
お互いに存在を気にしていて
気持ちは通じ合っている気がした。