「ま、浮気したら……
キレるかもしんねぇけどな。
あんま会えねぇから……
し放題だもんな」
俺がキレるとしたら
そういう類いのことだ。
束縛はしたくないけど
俺が初めて本気で好きになった女だから
簡単に手放す気はさらさらない。
すると彼女は
「す、する訳ないでしょ!」
そう慌てて否定した。
俺は彼女を信じている。
お互いに波長が合って
居心地が良い存在だと信じている。
でも
彼女の場合
彼女が浮気することよりも
他の男に好かれることの方が心配だった。
気遣いが出来て
優しい空気みたいな感じで
でも凛として美しい
女神のような彼女に
男が惚れない訳がない。
ご飯を作ってくれたり
こんな風にマッサージをしてくれたり
居心地良い雰囲気にしてくれたり……
そんな出来た彼女は
他にどこにいるんだろうか。
俺は自分には勿体ない程の彼女を
本当にありがたく思っていた。