プロデューサーは
出演者のコンディションを
気遣ってくれる人で


僕の申し出を快く受け入れてくれた。









「10分休憩しよう」














僕は彼女を連れて
ホテルの部屋を一旦出た。















少し明るい所に行って

彼女を見ると




少し顔色が悪かった。












「辛いよな……。
やっぱ辞めようか?
モヨナに酷なことをさせてるって俺
分かってるから…
無理はして欲しくない。
内容変えたっていいし…」





彼女を想ってそう提案した。













でも






彼女は小さい声だけどハッキリと








「嫌です」



そう言った。













「大丈夫です…
オッパだから大丈夫です……」









どこか言い聞かせるように言う彼女に


僕の不安な気持ちは落ち着かなかった。










「そう言ってくれるのは嬉しいけどさ…
根拠のない理由でしょ?
不安はそう簡単に消えないよ…」









僕はこのまま続けてしまったら



彼女は嫌なことを
我慢するだけになってしまうんじゃないかと
気にかかって  








そっか、頑張れ。










なんて言えなかった。













安全な殻に籠っていた彼女を

外に連れ出した僕には



少し負い目があったから………。