「ごはんは食べてきた?」




「いや…
別にいいかなと思って。食わなくても」









彼は体型からしても食が細そうだけど

レッスンとかキツいだろうから心配になる。








でも

食べたくないのに
無理に食べる必要はないし……









「そう……
一応作っといたけど……
明日の朝でいい?」



「え!まじか。…今食う」









今食べないと思ったから

食べると即答の彼にちょっとビックリした。




 

でも


嬉しかった。












私はキッチンに行って


彼用にとっておいたワンプレートを温める。











彼に温めたものを出すと





私はタオルを用意したりして
いそいそと準備を始めた。




















少しすると


彼はあっという間に食べ終えたようで







「旨かった。ごちそうさま」



と食器をキッチンへ持って行ってくれた。









全部食べてくれて嬉しかったし

食欲が無かった訳じゃなかったんだ

と安心して





「あとはやるよ」



とお皿を受け取った。









「わり……」




彼は少し申し訳なさそうな顔をしながら
私に皿を渡すと



リビングへ去って行った。