しばらく彼女を見つめているうちに
眠くなってきて
俺はどうやら彼女のベッドに
寝てしまったようだ。
目が覚めると
目線の先に彼女は居なくなっていて
代わりに
自分にタオルケットが掛けられていた。
彼女か………
俺は体を起こして
ベッドを降りると
リビングへ行く。
「あ……起きたんだ……」
「ん……わり……勝手に寝てた」
「別にいいよ。
もっと寝なくていい?」
「大丈夫」
彼女は料理をしながら
俺に気づいて声を掛けてくれた。
「ごはん………食べてく…?」
………………え!?
「え……あんの?」
思いも寄らない話に
俺は興奮した。
「一応作ったけど……」
「食う」
彼女の手料理を食べれるなんて……
今日は本当に最高だ。
彼女は何品かのおかずを盛り付けたお皿と
ごはんをテーブルに並べてくれた。
煮物とか野菜とか
本人に言ったら
言葉悪く捉えられるかもしれないけど
地味目のメニューで
俺好みだった。
母親から習ったのか
この年にしては
意外と家庭的な彼女の料理に
俺は驚いていた。
「うまそ~」
でも彼女はチラチラと俺を見ていて
自信無さそうにしているのが分かった。