しばらく作業に没頭していて




一段落したと

だいぶ冷めてしまったコーヒーを
口にしながらキッチンを見ると




彼女は居なかった。






   




   







あれ………








 

彼女はすごく静かにしててくれたみたいで

目で探したら



どうやらベッドに横になっているようだった。






 





人の物音が気にならないのは珍しい。











人の家に来といて
気を遣わせて悪かったなと


そっと彼女の元へ足を運んだ。



 






  



そこには寝息一つ立てずに
横になっている彼女の姿があった。





 



俺に気づかない辺り

たぶん熟睡しているのだろう。







俺はベッドに腰を掛けて


彼女が眠っている姿をじっと見ていた。













綺麗だ………







まつ毛が長くて、肌が綺麗だった。






日に照らされて少し明るく見える
彼女の栗色の髪が


美しさを引き立てていた。









 




俺は彼女を見ながら




「俺には勿体ねぇな……」




思わずそう呟いた。







 


美しさは勿論だけど







出逢ってそんなに日も長くないし


付き合って間もないのに






こんなに良い意味で
気にならない存在は初めてだった。






だから俺はそう呟いてしまったんだと思う。







俺にはやっぱり

これ以上ない女だと思った。