彼は近づいてきた私に

泣きながら手を伸ばしてきたので







そのまま彼にハグをした。

















止めどなく涙を流す彼。













私は彼の背中をさすりながら




私もひとしきり泣いた。 



























しばらくしてお互いに落ち着いてくると


どちらともなく離れた。 














「ヌナ………
俺の話……聞いてくれてありがと……。

やっと…………やっと言えた………。
苦しかった…………」










「話してくれてありがとう。
今日テヒョンくんに会えて
話せて本当に良かった………。
色々ごめんね……。

なんか私たち…………
本当に社長にお世話になってるよね…」







  


私がふふっと笑うと


彼も笑った。












「本当に良い社長だよね。
面白いし」



「でしょ?
もう頭上がんないよ…」















するとタイミング良く


社長が休憩室にやって来た。












「お、失礼~~
あれ、何笑ってたんだい?
ん?2人共泣きはらした顔で……」




「社長が面白いって話ですよ」



「え、僕?
僕のどこが面白いの?
顔とか言わんでくれよ…?」







社長は睨みながらもそんな冗談を言う。












「ふふ。
社長には本当に感謝してます。

私を助け出してくれたことも……
彼と話す機会をくれたことも……」





「俺も社長のおかげで
ヌナとこうしてまた会うことが出来ました。
どうやってこの恩をお返しすればいいか…」






 

私も社長にどう恩返しをしようと
考えてた所で


テヒョンくんと同じことを考えていたのかと
驚いた。

















「恩返しなんて要らないよ。
僕の趣味のただのお節介だからさ。

まぁ……彼女に僕の仕事を
もう少し手伝ってもらいたいかな~。

あとは2人の……
結婚式に呼んで欲しいかな~」