彼女にオファーのことを伝えてから
少し経ったある日。
僕はマネージャーに
「何か彼女は言ってた?」
と話し掛けられた。
「一応は話しました。
考えておいてとは伝えてますが
まだ彼女からは特に何も……」
「そっか…。
もし見学とか
詳しく話を聞きたいようだったら言って。
この前の会議でやっぱり
女性アイドルグループを結成する方向で
話が進んでたから
スカウトに動けって言われてるんだ」
マネージャーの話では
大方結成自体は決まっているようだった。
「彼女に判断は任せますが
彼女は一般人なので
やり取りは僕を通してお願いしたいです」
僕の1つだけの要望は伝えておいた。
判断は彼女自身に委ねるけど
彼氏として
彼女を守っていたかった。
「そのつもりだよ。
よろしくね」
彼女の考えは想像がつかないけれど
きっと彼女らしい回答が
来るのだろうと信じて
僕は彼女の回答を聞ける日を待った。
その日は
それから2週間後に訪れた。
前日彼女に
図書館へ行くことを伝えて
その日はいつものように
お昼に行った。
でも
あまり時間がなかったので
僕はすぐに本題に入った。
「モヨナ、心は決まった?
オファーのこと……」