「俺、結構神経質だから
人がいるってだけでダメな時も多いんだよ。
だから初めてだった、こんなこと」
彼がそう言ってくれたことは
内心ものすごく嬉しかった。
彼の為になったのなら
良かった………。
口から出る言葉とは裏腹に。
「今日はどうせたまたまだよ。
プレッシャーかけないで」
「かけたつもりねぇよ。
でも…またここ来てもいい?」
「…………お好きに」
ツンケンして言ってしまったけど
内心
合鍵作ってもいいかな~なんて
女な考えを抱いていたなんて
絶対に言えない………。
洗い物の間
彼とは他愛もない会話をして
洗い物が終わると
彼と一緒にソファの所へ移動した。
「やっぱ仕事は段々忙しくなってきた?」
「おぅ。まだまだ知名度は低いけど
曲は作んなきゃなんねぇから
仕事は多くなったかな……」
グループの一員と言えど
彼は作曲もしているから
彼1人にかかる負担は大きいのだろう。
私は彼を想うと
心が痛んだ。
「ま、手のマッサージくらいなら
してあげられるから
気が向いたら言ってよ」