「なんか飲む?コーヒーとか」
「あぁ…じゃあコーヒー」
「ブラック?」
「おぅ」
彼にコーヒーを淹れて渡すと
「ちょっと仕事していい?」
そう聞いてきた。
「どうぞ」
彼にそう答えると
彼はパソコンを鞄から取り出した。
私は邪魔をしないように
自分のコーヒーを持って
ベッドの方へ移動した。
私の部屋は引き戸を解放すると
ワンルームになるタイプで
私のベッドからは彼の姿が見える。
仕事をしている彼の姿はカッコ良くて
私はケータイを弄りながら
彼のことをチラチラ盗み見ていた。
たぶん彼は曲を作っているのだろう。
たまに聞こえてくる電子音が独特で
やっぱり彼は天才なんだろうなと
私は彼を遠い目で見ていた。
彼のことを尊敬しながら
ベッドでごろごろしていたら
いつの間にか眠っていて…………