彼は意外とマメな人だった。
付き合った翌日も電話をくれた。
「もしもし?」
「おぅ、俺」
「仕事は?」
「さっき終わった」
終わってすぐ連絡してくれたみたいで
嬉しく思った。
「お前は?何してる?」
「大学の課題」
「うわ~ダルそう」
「まぁね」
相変わらずの何てことない会話だけど
なんか楽しかった。
「あのさ…明日暇?」
「え?」
突然そう言われて
スケジュールを確認する。
「14時まで講義あって
それ終わったらまぁ暇だけど……」
「じゃ、それ終わった頃
お前ん家行っていい?」
私は突然過ぎる展開に
頭がついていかなかった。
え、
付き合って3日くらいで
家に入れちゃうのはなんか……
ヤバくない…?
そう焦っていると
彼は何かを感じ取ったのか
理由を話してきた。
「俺さ
まだ言ってなかったけど
インドアタイプなんだよね。
たまに外に出るのはいいけど
中がいいなぁと思って」
てことは
これはデートのお誘いなの……?
私はアレコレ頭で考えてしまって
すっかり返事を忘れていた。
「おい、聞いてんのか?」
「え…?あ、うん……」
「別に何もしねぇよ?」
私はカーッと顔が赤くなるのを感じた。
「あ、当たり前でしょ…?」
「当たり前でもねぇだろ」
彼の言ってることに恥ずかしくなって
「じゃあ入れない…」
と言ってしまった。