彼は口許がきゅっと上がって少し笑うと


私から少し離れた所に並んで歩き始める。









彼は私より少し背が高くて、細くて



私はなんだか緊張した。











私たちはなんとなくで
近くのファミレスに入った。



 










「なんで連絡くんねぇの?」






彼はストレートにそう問いかけてきて


やっぱり聞いてくるか……
と気まずく思った。










「なんでって……
普通に怪しいじゃないですか」



「……まぁそうだな」








彼は意外にも納得してきて
私は逆に驚いた。



やっぱり変わってる人だなぁ……



ペースが読めないというか……



初めてのタイプ……





















「シセリさんは
Big Hit Entertainmentて知ってる?」






彼は突然そう質問してきた。







「いいえ……知りません」


「まぁそうだよな………。
じゃあS.M. Entertainmentとか
JYP Entertainmentとかは?」


「それは知ってます。
有名ですから」





 


「俺さ
今Big Hit Entertainmentっていう
芸能事務所の練習生なんだよ」



「え…………」