「よし。
そろそろ俺、戻んなきゃ。
モヨンちゃんもお化粧直しして……
一人で帰れる…?」
「大丈夫ですよ。
ここまで来れましたし……」
トイレまで行くと人と会うといけないから
ここでメイク直してもらうか……
と考えていると
突然彼女は
「あ!!!!!
ホソクさん!!!眼鏡!!!」
と大きな声を出すから
僕はビクッとした。
彼女はバッグから
この前僕が渡した眼鏡ケースを出す。
「ありがとうございました。
とても助かりました」
「あぁ……もう大丈夫なの?
眼鏡直った?」
「あの……私……
眼鏡やめようかと思って……。
これを期にコンタクトにしようかなって…」
「良いんじゃない?
まぁでも……
モヨンちゃんの可愛い顔が
表に出てしまうことに
俺としてはちょっと不安はあるけどね?」
「え………」
彼女がまた一歩
外に踏み出せることに嬉しさはある。
でも
彼氏になった身としては
複雑な気持ちもあった。
「いいじゃん、コンタクトにしてみなよ」
結局
僕はそこで彼女の踏み出しを
妨げるべきじゃないと判断して
彼女の背中を押すことにした。
その後は
彼女が軽くメイクを直すまで待ってあげて
彼女と一緒に部屋を出る。
「あのさ
呼び方変えてもいい?」
僕にとっては初めての''彼女''になる。
願望があった。
「モヨナ」
僕が彼女を名前呼びしてみると
彼女はビクッとした。
でもすぐに顔を赤らめてはにかむ。
「嬉しいです………。
私は……」
「何でもいいよ。
タメ口で良いし
呼び捨てでも良いし」
「呼び捨てはちょっと………
じゃ………じゃあ………
………ホソク……オッパ……?」
彼女が恥ずかしそうに小さく呟いた声に
僕は赤面した。
可愛いすぎてキュンとした。
僕は何も言わずに微笑んで
彼女の手首を掴むと
一緒に部屋を出た。