彼女はどこかを見つめたまま
そう呟いた。
「ものによるけど………
でも……しないよ」
僕がそう答えると
彼女は俯き気味に話を始めた。
「実は……
ホソクさんが空港で怪我をされた後に
ペンの方とトラブルがありまして……」
「それって……
俺の所に来る前?」
「いえ……後です。
ペンミ会場の外で……」
「何があったの?」
「なんかやっぱり……
私が押したから……
ホソクさんが怪我したんだって
おっしゃる方がいて……」
「うん……具体的に何て言われた?」
「声を掛けて来た方は
空港で私の近くに居た方で……
ホソクさんが怪我したのは
私のせいだから
そういうヤツはもう二度と来るなって……」
僕はそれを聞いて呆然とした。
僕が空港で言った言葉は
何の意味も成していなかったのかと
ガッカリした。
「手出されたの?」
「いえ……」
「口だけ?」
「…………はい」
彼女の顔を覗き込んで見たけど
傷等はなかった。
「あれ……?
そういえば
今日眼鏡してないね」