あまりにも美しい彼の姿に
私は息を飲んだ。




















彼は私の方へ歩み寄ってくる。



見たことのない程の彼の真剣な顔に
私は怖さを感じていた。

















彼が私の目の前まで来ると
壁に片手をついて顔を覗き込んでくる。









私が思わずうつむくと
彼に顎を掴まれて上を向かされた。











「なんで目反らすの?」



彼の低い声にビクッとして
思わず目を合わせる。















吸い込まれそうな青い目に
久しぶりに近くで見る彼に
彼の香水の匂いに
ドキドキして
私は居てもたってもいられなくなる。











 







「………やっぱ無理……」











思わずそう呟けば彼が











「俺が無理ってこと?」


さっきよりも冷たい
圧のある声で問いかけてきた。













「ヌナは俺の存在が無理なの?」


「ちが……」


「じゃあどういうこと?
説明してくれるまで俺帰す気ないよ?
ずっとこのままだよ?」









テヒョンくんは近距離のまま
そう脅してきた。

















「あの…………
テヒョンくんが……………
キレイで…………
スゴくて………
辛い………の………
私とは……世界が違う……
やっぱりテヒョンくんとは………
一緒にいられない……」










短い言い訳だけど
私がずっと抱えてきた事をこの時
やっと言えた気がした。















でもテヒョンくんは……








「はぁ………」


ため息をついた。













「なんでさヌナはそうやって……
自分から俺と線を引こうとするの?
やっぱり俺の事嫌いなんでしょ?
さっきも公演中目を反らして……」








目が合った気がしたのは
気のせいじゃなかったんだと
私はこの時知った。







※イメージを膨らませる為、画像お借りしております。