「これはBTSさんの
ソウルコンサートのチケットです。
僕が招待客用として手配しました。
これを僕が彼女に渡しておきます。

席は僕が無理矢理作ったので
機材横の席で、中央に近い所です。

僕が出来ることはここまで……。
彼女が来てくれる保証は……ありませんが……」









彼の思いがけない提案に

僕は固まった。










「彼女の席は中央部の機材横なので
会場から出るタイミングは
必然的に遅くなります。
なので、その時間を使って
テヒョンさんが舞台裏から抜け出せば
会場入り口付近まで行けると思います。

そこでテヒョンさんが
彼女を探し出して……
上手くいけば……接触出来るかなって……」







彼が一生懸命考えてくれた
シナリオなんだろう。





後半は自信無さそうに話をしていたけど


僕にとっては
目から鱗だった。








「やっぱりそんなの無…」

「やります!!スンギさん!!
いや、スンギヒョン!!
ありがとうございます!!!」





僕は彼に深くお辞儀をした。














その後は
彼のシナリオを詳しく聞いて

2人で作戦を立てた。












「テヒョンさん。
くれぐれもバレないように
変装しないとダメですよ?
大騒ぎになりますからね?」



「分かってます。
ちゃんと考えておきますから。
絶っっ対に彼女を探してみせます!」



「頑張ってください!
きっとテヒョンさんなら出来ますよ!

じゃあまず僕は
彼女とコンタクトを
取らなくちゃいけないですね。
また連絡しますので」



「よろしくお願いします!」







僕は彼と握手を交わし


希望を胸に彼と別れた。