少しするとスンギさんがやって来て
近くの空いている部屋に入った。
「まだお仕事してたんですか?」
「はいそうですね~。
今色んなグループの
コンサートが重なってて
日中結構バタバタで………。
夜になってやっと
落ち着いて仕事できるって感じですね……」
「それは大変ですね……」
「テヒョンさん程じゃないですよ。
今は体調大丈夫ですか?」
「あぁ……もう…………何とか……」
「…でもやっぱり元気ないですね………。
やっぱり○○さんのことですか?」
彼にそう切り出されて
僕は何となく彼は信用出来ると思って
彼女とのことで
今までにあったことを
全て彼に話した。
「本当に色々あったんですね………。
僕の想像のはるか上を超えてきましたよ…。
未だに彼女との連絡手段はなし……?」
「はい……。
彼女の会社の社長から
彼女の様子を聞くしか手立てがなくて…」
「そうですか……。
でも……そんな状況でも
諦めていないテヒョンさんに
僕は安心しました。
……やっぱりテヒョンさんは素敵な方ですね」
スンギさんはそう言って微笑むと
「よしっ」
と立ち上がって
彼はカバンから何やら
細長い封筒のようなものを取り出した。
「テヒョンさんの話次第と思ってましたが
これは絶対に使わない訳にはいきませんね」
彼はそう言って
封筒から1枚の紙を取り出すと
僕にそれを見せた。