「色々ありましたけど……
○○さんとは……?」
彼の問いかけに
僕は何と返せばいいのか思い付かなかった。
「…………」
「色々……本当に色々ありましたけど……
別れ……てない……ですよね?」
彼はかなり気を遣って聞いていることは
口調からも分かった。
「別れたつもりはないです。
でも……」
「○○さん
ニューヨーク行ってたみたいですね……」
僕は彼の発言にハッ とした。
「もしかして……」
「あ!彼女とはもう何もないですよ!
僕はもう別の方と結婚を決めてますから」
彼の左手の薬指には
指輪が光っていた。
「ついこの前
彼女とばったり会ったんです」
「……え!ニューヨークでですか?」
「いえいえ。
あるお弁当屋さんで…。
彼女が前にバイトしていた所らしいんですが」
「てことは韓国……」
「はい。
一時的に戻ってきてるようでした」
僕は彼女の会社の社長が
近々戻ると言っていたことを思い出した。
「テヒョンさん。
今日お時間ありますか?」
「……え?」
「もし良かったら……
彼女と何があったのか
僕に聞かせてくれませんか?」