帰国して数日後。
僕は名刺を元に
彼女の会社の社長に連絡をとった。
「はい、スティーブです」
電話を掛けると、すぐに声がした。
「もしもし………
あ………キム・テヒョンです…」
僕が緊張して名乗ると
相手は
「あぁ!テヒョンさん!?
連絡くれてありがとね~」
と、何故か感謝される。
「あの………今忙しかったりしますか?」
「全然!
テヒョンさんならいつでもwelcomeだから!」
彼の何とも言えない高めのテンションに
僕は少し調子が狂った。
「僕、テヒョンさんと
話をしてみたかったんだよね~」
「……え?」
「○○さんを射止める人は
どんな人なのか興味があって。
あ、もちろんテヒョンさんは
相当モテるって分かってますよ?」
こんなにペースを乱されたのは
初めてな気がした。
「あ…ごめんねぇ
ベラベラと僕ばっかり喋って。
何か聞きたいこととかありますぅ?」
「あ……」
僕はハッ とした。
気になること……
「あの………ヌナとは………
○○さんとは…どういうご関係で…?」
「関係?
社長と僕のマネージャーっていう関係」
「………それだけですか?」
「あ……もしかして疑ってる?
恋愛関係とか…」
「はい」
「大丈夫!そういう関係ではないから」