しばらくして僕はハッ として
ようやく現実に戻った。
彼女は行ってしまったけど
彼女を一目見て
余計に彼女を諦められなくなった。
手がかりが少ない中
彼女に再会出来たのは
きっと運命……
そう思わざるを得なかった。
そしてこの再会で
僕は完全に切れてしまっていた
彼女との繋がりを
1つ手に入れることが出来た。
僕は
長い時間が掛かってしまったとしても
僕の気持ちを
騒動の真相を
彼女にちゃんと伝えたい……
そう強く思った。
翌日は朝から
コンサートの会場でリハーサルをした。
前日は
彼女を見送ってからナムヒョンと合流して
彼女と会うことが出来たことや
僕の心境を聞いてもらっていた。
「テヒョナ。
少し元気出たか?
なんか少しスッキリしたように見えるけど」
「……昨日彼女に会えて良かったです。
まず…今日の公演……成功させましょう!」
「おう!」
彼女と話が出来た訳ではない。
でも
彼女の元気そうな姿を
見ることが出来たことと
希望が見えたからかもしれない。
僕は少し元気を取り戻していた。
そのおかげで
その日の公演は大成功に終わった。
公演が終わると
彼女を残して去るのは……
後ろ髪引かれるようだったけど
スケジュールの為
すぐにニューヨークを立った。