ランチタイムはボーッとしていて
美味しいはずのラップサンドも
あまり味がしなかった。
彼らがあそこにいたってことは
この辺りで
コンサートか収録が
あるということなのだろう。
ぶつかったのが
ナムジュンくんでまだ良かった。
あれがテヒョンくんだったら
今どうなっていただろうか………
きっと半径500m以内には
彼が居たんだと思うけど
会わなかったのは
そういう運命だったってことだ。
私はそう頭を整理して
切り替えて午後からの仕事に臨んだ。
午後は社長に呼ばれて
報告会をした部屋とは
別の部屋に連れて行かれた。
「さっきの報告驚いたよ~
1週間でよく頑張ったね!」
「ありがとうございます!」
「僕、あれ作ってみたいなぁって思ったよ」
「本当ですか!」
「うん。
今はこっちにいるから
こっちで聞き取りとか続けてもらって…
君は韓国人という強みがあるから
韓国でも是非聞き取りをしてみて欲しいね。
口コミ重視にしようとしてるんでしょ?」
私は社長の考えに
すごく共感していたので
韓国人にウケるアメリカの製品
アメリカにウケる韓国の製品のような
今までにない化粧品を
作ってみたいと思っていた。
上手く説明はできないけど
社長の考えに近いものを
私も作りたいも思っていること
今後のことについて
長い時間を掛けて話をした。
社長は私の話に耳を傾けてくれて
アドバイスも沢山くれた。
「今夜君、時間ある?」
「はい、大丈夫ですよ」
「今から親会社の社長に会うんだけど
今話してくれたこと
ちょこっと話してみない?
たぶん彼
君の話にすごい興味持つと思うんだよね~」
そう言われると断れない。
「行きます!」
「5時半に待ち合わせなんだけど…
すぐ出れるかな…?」
「あ…大丈夫です」
私は荷物の整理をして
程なくしてオフィスを出た。