「あ……何回かお会いしました……」
私はドキマギして
たどたどしく答えた。
「そうなんだ。
あの子まだ告白してないの?
モヨンちゃんに」
え??
「え…?オンニ……?」
「まだされてない?」
「や………あの……」
「ったく女々しいんだから……」
私はお姉さんの発言に動揺して
上手く答えられなくなったけど
ハッとして
一呼吸置いてから
ちゃんと話をした。
「オンニ……あの……
先日……ホソクさんが……
私の事を……好きと…
言ってくださいました……」
顔色を伺うように
そう小さな声で言うと
お姉さんは手を組んで目をキラキラさせた。
「なんだ~!そうだったの~!
ホソクも男だったか~
それで?どうなったの~?」
お姉さんはなぜか
テンション上がってしまっているので
すごく言いづらい……
「あの……ごめんなさい………
私には勿体ないお言葉だったのですが……
私は…その……お付き合いが……
出来なくて……」
私みたいな人がホソクさんを振るなんて…
とまた自己嫌悪になって
顔を下げてそう言うと
意外にも
「やっぱそうだよね」
と返して来たので驚いて顔を上げた。
「え……」
「だってさ
こんな純粋で可愛い子
ホソクには勿体ないもん。
まだ今のあの子じゃ守れない。
まだOKしなくていいよ。
でも…
またチャンスはあげて貰えると嬉しいな」
お姉さんの発言は意外にも意外すぎて
完全にキョトンとしてしまった。
「ホソクは恋愛経験がないから
ちょっと情けない所もあるかもしれないけど
モヨンちゃんには本気だと思う。
あの子なりに頑張ってるんだと思う。
だからこの先もOK出せなくてもいいから
たまに話を聞いてあげたり
してくれればなって私は思ってる。
ホソクと上手くいかなくても
せめて私とは仲良くしてね」
お姉さんの言葉はなんか
ホソクさんの実の姉としての
暖かい気持ちがこもっているのが分かった。
でも
私がお断りした原因が
ホソクさんのせいみたいになっているのは
訂正しなくてはいけないことだと思った。
「オンニ……
私がホソクさんのありがたいお言葉を
断ってしまったのは私自身のせいです。
ホソクさんは勿体ない程の方です。
私は……
まだ……
まだ怖いんです……」
「分かってるよ」
お姉さんは私の頭を撫でてくれた。
「もちろん
怖いっていうのもあるだろうって
私は思ってたから。
でも大丈夫。
焦ることじゃないよ。
それはモヨンちゃんがもう大丈夫って
思えた時で良いんだから。
誰もまだ引きずってるのかとか
そんなことは言わないから。
ホソクも分かってるから」
お姉さんの優しい言葉を聞いて
すごく安心した。
昨日まで心配していたことが
全部取り払われた感じがして
肩の荷が降りた。