「やだよ……」
「口にして!」
「ダメ~」
私が彼のおねだりを拒んでいると
あろうことか
テヒョンくんは私の首に噛みついた
のではなくて、吸われていた……
「ちょっと!」
少し痛みを感じたので怒ると
彼は私の首を見て一瞬ニヤついていた。
「まさか!?」
私は自分からは見えない首元を見ようと
頑張っていると
「あ!そろそろ帰んないと怒られる~」
と荷物を持って彼は立ち上がった。
「ちょっとテテ~?
ごまかして帰るつもり?」
私も立ち上がると
彼はサササーっと玄関へ逃げて行った。
私も彼について行くと
彼は靴を履いて
私の方を振り返った。
「ヌナ。じゃ、また!
連絡するね!」
彼の笑顔につられて
私も思わず笑顔になった。
「うん、気をつけて」
「ばいばーい」
彼は変装して出て行った。
部屋に戻って
鏡で首元を確認すると
案の定キスマークがついていた。
「あ~やられた~」
私は嬉しく思いつつも
明日の仕事のことを考えるとマズイ……。
とりあえずカットバンを貼って
乗りきろうと決めた。