少し用足しをしてお昼に戻ると
中庭に足を運んだ。





「モヨンちゃん」


「あ……ホソクさん……」






彼女は座って待っていた。


僕が彼女の隣に腰を下ろすと
彼女は僕に飲み物を差し出した。







「甘いのは大丈夫ですか?」


「え…?うん大丈夫だけど……いいの?」


「はい」





彼女はアイスココアをくれた。






「ありがとう」


僕が飲み物を受けとると

彼女は弁当を開き始めた。






僕も買ってきた軽食を取り出すと



「あ……ホソクさんもお昼あるんですね。
良かった……」

と微笑んでいた。






「なんかお休みなのに………
もっと豪華に
メンバーの皆さんと食べないんですか?」


「みんな休みは各々で過ごすからさ。
それに俺はここでのんびりするのが
結構好きなんだ」




そう言うと
彼女は嬉しそうに





「ここ、気に入りましたか?」


と問いかけてくる。







「なんかピクニックみたいで
なかなか好き」


「ですよね。
だから私もここが好きなんです」



彼女は空を見上げた。












「ねぇ、冬はどうするの?」


「冬は仕方がないので中で食べたり…
あとはチゲを食べに行きます」


「あ!それもいいね~!」


「はい~」



彼女らしく四季を楽しんでるようで
素敵だなと思った。













そんな他愛もない会話をして




ごはんを食べ終えると




僕は話を切り出した。











「この前のことなんだけどさ………
急にあんなこと言って驚かせてごめんね。

モヨンちゃんとしては
色々と負担になってしまうんだろうと
後から思って………。

だからさ、友達として
またこうして会いに来てもいいかな? 
 
今まで通り
こうしてただお話したくてさ」






あれから2日間

彼女の立場になって色々と考えてみた。





彼女の中で''付き合う''ということは
負担になる。



たぶん姉と僕を友達として受け入れるので
精一杯というか

それで一歩やっと進めたんだと思う。





これは急ぐことではない。



ゆっくり傷が癒えてくれればそれでいい
僕はそう思った。








「すごくありがたく思ってます。
ホソクさんもお姉さんも
私を気に掛けてくださって…。
私も……ホソクさんに会いに行きますね」





たぶん僕が考えてた彼女の胸の内は
合っていたんだと思う。



彼女が笑顔でそう言ってくれたのだから。







''付き合う''という形をとらなくても

彼女に寄り添っていられたら
それで良いと思った。