彼女の許可をもらって
姉に彼女の過去の話をすると
姉は
「辛かったね………
もう大丈夫だよ」
と彼女をきつく抱き締めていた。
彼女が泣き止むと
姉は彼女に謝った。
「辛いこと話させてごめんね。
不謹慎なことも言ってごめん…」
彼女は
「とんでもないです!
私なんかの話を聞いてくださって……」
また泣きそうになっていた。
「モヨンちゃん。
私もホソクもモヨンちゃんに
そんなこと絶対にしないからね?
安心して。モヨンちゃんを守るから。
だからこれからもずっと
友達でいよう?ね?」
姉がそう話すと
彼女は再び涙を流して頷いた。
その後は
泣き腫らしている彼女に驚いた母が
ごはんを食べて
落ち着いてから帰るように
声を掛けてたけど
彼女は実家に行って
すぐに帰らなくてはならないからと
帰り支度を始めた。
姉が化粧を落としてあげて
少し目は腫れていたけど
いつものモヨンちゃんに戻っていて
僕はなんとなく安心した。
本当は彼女を家まで
送ってあげたかったけど
彼女が全力で断ってきたので
仕方なく玄関で見送った。
その日の夕食の時間
僕は姉と彼女の話をした。
「ホソクがモヨンちゃんのこと
どう思ってるかは知らないけど
私はあの子のこと守ってあげたいなぁ…。
モヨンちゃん
私に連絡先教えてくれるかな?」
「教えて良いか聞いとくよ」
「うん。
あの子の傷……
少しずつ癒してあげれたらいいね……」
「そうだね」
彼女の負った心の傷は
僕たちが思っている以上に
きっと深いだろう。
僕たちにも
本当はすごく怯えているのかもしれない。
姉が思うように
僕も彼女を守りたいと思った。
夕飯を終えると
僕は翌日の仕事の為に帰る準備をした。
姉は一泊するらしい。
「じゃ、ホソク
体に気をつけてね。
モヨンちゃんにもよろしく」
母と姉に見送られて
僕は実家を後にした。