僕がオフの日に足を運んだ図書館……
それは韓国で一番大きな国立図書館。
彼女のことを思い浮かべたら
なんとなくそこに居そうって
思って来たのだけれど
やっぱり彼女はその図書館に居た。
この図書館の中でも
一際地味で
僕はすぐに彼女に気づいた。
本棚を利用して
遠くから彼女の様子を見る。
彼女は本を沢山抱えて歩き回っていた。
僕は少しずつ彼女との距離を縮めていく。
距離にして500m。
彼女が高い位置に
本を戻そうとして
フラついてるのを見て
僕は痺れを切らして
彼女の元へ小走りで駆け寄った。
僕は横から彼女の持っている本を奪うと
彼女が置きたいであろう場所へ
置いてあげた。
彼女は背伸びをしたまま
僕を見て固まった。
「モヨンちゃん発見」
そう言って微笑むと
彼女は持っていた本を全て
足元へ落とした。
「あ…………大丈夫??」
僕が足元に落ちた本を拾い始めると
彼女は立ったまま
「………なん………で…………??」
と呟いていた。
僕は立ち上がって
拾った本を彼女に渡すと
再び彼女に微笑みかけた。
でも彼女は真顔だった。
「どうして………………」
「君のことを考えたら
たぶんここにいるだろうなと思って」
「え………………」
少なくとも中学の時から本が好きで
たぶん頭の良い彼女が目指しそうな所……
ここしかなかった。
「少ないヒントで君に辿り着いたから
ご褒美もらっていい?」
「ご……ほうび…?」
僕は彼女の掛けている眼鏡を
そっと外した。