「付き合ってたよ…………」
そう答えると母は
「あんた………やるわね~」
と肘でつついてきた。
最初怒られるのかと思ったら
喜んでいたから
ちょっと気が抜けた。
「ねぇ、どこで知り合ったの?
大スターと知り合うだけでも
すごい事なのに!」
母は興奮気味で話していた。
私が何と話そうか迷っている間に
母は急にふぅっと息を吐いて
急に真面目に話始めるから
私は驚いた。
「こういう話は後だよね………。ごめん。
○○○。日本に帰ろう…?」
「………え?」
「あんたがやりたいって
言う事自体珍しかったし
勇気出したんだろうなって思ったから
引き留めたい気持ちを我慢して
韓国に送り出したの。
でもこんなことがあったから………
親としては守れる所に居て欲しい……。
あんたももう大人なんだけど
でも
いつまでも私たちの大切な娘なの。
ね……お願い……」
母がそう頼んできて
すぐに断る気にはなれなかった。
「お母さん………
ちょっと考えさせて………」
私はそう言うので精一杯だった。
その夜
私のベッドに突っ伏して
眠る母を見つめながら
再び眠れぬ夜を過ごした。
私の手には母の手が繋がれていた。
「お母さん………
心配かけて………ごめんね………」
私は静かに涙を流した。
翌朝
父がまた病院に来てくれて
私は夜な夜な考えたことを
両親に伝える。
「私…………日本に帰るね……」
両親は穏やかに微笑んだ。
「帰ろう」
父は優しい声で言った。