「ねぇヌナ。これな~に?」
グクは急に
テーブルの上の干し芋に興味を示した。
やっぱり腹ペコのグク。
その可愛さが愛しい。
「干し芋だよ」
「ほし……いも?
何それ。美味しいの?」
「私の大好物」
「好きってこと?」
「うん」
「食べて良い?」
私が差し出すと
グクは不思議そうに干し芋を見ながら
1つ口に入れた。
「あ、고구마?」
「そう。コグマ」
「美味しいね。もう1個良い?」
「どうぞ」
グクは
すっかり気に入ってしまったようで
時々私の口にも入れながら
モグモグと美味しそうに食べていた。
「ヌナの好きな物は僕も好き」
「え~?何それ」
私はふふふっと笑った。
「やっと笑ったね」
グクはニコッと笑った。
「良かった~」
と不意打ちで頬にキスをしてきたから
ビクッとする。
「僕ねホント
チューとかハグとか
したいタイプなんだな~って
思ったんだよね。
まぁヌナだからだと思うけどね。
今まではヌナが控えめだしって
少し遠慮してたけど……
遠慮するのやめるね?」
「え…?」
「だってヌナ
すぐ自信なくしちゃうんだもん。
僕ヌナが思ってるより
すっごく好きなのに~」
「………」
私はグクからのストレート過ぎる発言が
恥ずかしくて
何も答えられなかった。
「じゃ、そろそろ帰るよ。
充電できたし」
グクはソファから立ち上がった。
「また干し芋食べさせてね?
あれ気に入ったわ~。
日本のお菓子最高!」
「今度送られてきたらあげるよ」
「そしたら一緒に食べよ?」
「うん」
私は玄関まで彼を送りに行く。
グクは靴を履くと、振り返った。
「いっぱい泣いたから目元冷やしてね。
また明日。おやすみ」
そう言うと
私の腫れぼったい瞼にキスをした。
私は照れながらも
手を振って見送った。