裏口の近くまで来たけど
意外とファンはいなくて
なんでだろう…て思っていたら
裏口周辺には何人もの怖そうな警備員が
目を光らせていて
妙に納得した。
私は勇気を出して
がたいの良い警備員の脇を
そろそろと通って行ったけど、
最難関と思われる
裏口前の二人の警備員に
さすがに足がすくんだ。
どう見てもボビー○ロゴン ×2。
これはさすがに払い出されるだろうと
一歩後ずさっていると
警備員の後ろの方から
帽子を目深に被った男性が
こちらに歩いてくる。
オーラがあって、
一目でジミンだと分かった。
ジミンは顔は見えない状態で
警備員の目の前で立ち止まると
私に手招きしてくる。
私は小走りで彼に駆け寄ると
警備員に会釈して
並んで中に入った。
中に入ると
彼は少しだけ帽子を上げて
子供のような愛らしい表情で
私に顔を向けた。
「ヌナ~❤️」
彼は私に抱きつこうと腕を広げたけど
私は周囲を警戒して
彼を制した。
「ダメ。誰が見てるか分かんないんだから」
そう彼に注意すると
「え~。別に俺は見られたっていいよ」
そんなふざけた事を言う。
「こら。
今絶頂期のスターが
そんな事言っちゃダメ」
私がそう叱ると、
彼は拗ねて「ちぇっ」と言った。