【特別投稿】ブラウンと3.11 | ブラウンの熊たち

ブラウンの熊たち

ブラウン大学在学中の日本人学生(熊たち)がブラウン大学のクレイジーな日常生活をあなたに届けるぜ!

半年ぶりの投稿、ブラ熊アルムナイ(卒業生)の熊です!

今日は、3月11日、東日本大震災から3年目ということで、ブラウンと3.11からの歩みについて、紹介したいと思います。


2011~2012年

ブラウン大学は2011年の震災と同時に、学長とディーンからなる支援委員会を設置、発生からひと月で1万ドル以上を寄付したほか、1周年追悼イベントでは、”Rebuild, Rethink, Remember”を合言葉に東北で被災地支援の第一線に立たれるNPO、ジェン代表の木山啓子さんPower of Japan代表の神田望美さんを日本からお招きし、東海岸の5大学でのレクチャーツアーを企画しました。

目的は、一年前、世界中から支援を送りと祈りを捧げてくれた人々への感謝と報告で、危機に際しても恩に対して礼を重んじる日本らしい企画を目指しました。

同時並行で行われたチャリティーTシャツ販売は、学生によるデザイン公募から大きな注目を集め、全米で1.7万ドル近い売り上げを記録しています。

311プロジェクトメンバー通称「野郎会」


 

2013年3月11日 

去年は震災2年を忘れないために、JCA(日本文化会)の主宰でブラ熊あつかのが、すばらしいアートプロジェクトを大学の中心部であるMain Greenで完成させてくれました。

 



 当日はアートの前で立ち止まり、黙祷する通行人の姿が印象的だった




 2014年3月11日


そして、今年、ブラウンの日本人たちは、原子力エネルギーの未来について考え、話し合う場を震災3周年記念として企画しています。

誰もが忘れるこのとのない、あの震災から3年。

今年、アメリカにいる日本人として何をするかを考えたとき、僕は企画者としてもはや犠牲者を弔うだけのイベントには出来ないと感じました。

 

この3年のあいだにも、東南アジアの地震や中央アジアの紛争、中東の動乱で多くの人々が震災と同様かそれ以上に非人間的な生活を味わい、あまりにも理不尽に命を落としてきているときに、日本だけがまるで悲劇のヒロインでいるわけにはいかないからです。

 

そして、これまでの人類の歴史がそうであったように、過去から学ぶことこそが、未来を踏みしめる第一歩になるという信念が、自分にはあります。

日本の震災が、世界の未来に貢献できる、あるいは提起する重要な問題とはなにか。

そう自問した時に、原子力発電所の事故が思い浮かびました。

 

エネルギーと人類の未来。

技術大国の名声をほしいままにし、今なお原発の輸出国として原子力と関わる日本でさえも、予期できない未知の問いが、原発事故のもつ本当の歴史的意義です。

 

そんなことを考えながら、ドキュメンタリー映画「100,000年後の安全」わかりやすいプロジェクトによる国会事故調査報告書の解説ビデオを上映し、前後に参加者一人ひとりのエネルギーへの見方をシェアしてもらいました。

当日は、ドキュメンタリー撮影班も加わって、30人ほどの人が集まりました。

 311

 上映後の感想を話し合う参加者たち

 

そういえば、こうした思いに共感した日本の高校生たちが、600ページにわたる国会事故調の報告書を読破し、そこから学びを得るイベントを今週の315日(土)に東京の日本赤十字に開催するそうです!

 

「将来の教科書に載るであろう原発事故を通して、"考える"大切さを感じ、1人1人意見を持ってほしい。そして、未来のため行動に移してほしい。」

 

高校生チームのMTGの様子

事故を知ることから、自分たちの未来のあるべき姿を考えることが始まる。

原発の賛否やエネルギーに限らず、これからの

日本の問題に自分たちの世代が、「未来の当事者」としてどう向き合うか。

それが彼らのメッセージだと思います。

 僕だけでなくブラウンにゆかりのある人が何人も関わっているプロジェクトなので、ぜひ参加してみて下さい!



告知
日本時間、3月16日(日)夜9時から
久しぶりにUstreamにてお茶なしお茶会やります!

これに先立ち、トモチーニ同日夜8時半より、

イタリアから単独ライブをお届けします!