ノロウイルスは落ち着いた。

スタッフ1/3がリタイアする中、残ったスタッフで3交代を廻すのは無理難題だった。

一時的に3階からスタッフ2名の応援で何とか乗りきった。外来に飛ばされたHも手伝いに来た。おそらく、初めてアイツが役に立った瞬間だ。


名目上『診療所への応援』になっている(奴)にも帰還要請が出されたが、予想通り拒否権を発動した。

奴「俺が戻ったら緊急事態にならへん。自分達の力で乗り切らせろ。俺が戻ったらその他諸々が成長できん。病院全体がサポートしとるから大丈夫や」との事。ドSめ。


「この機会で次が来た時の為の地力をあげろ」と(奴)は何度も言っていたが、この時は「だから、次の機会って何やねん」と正直思っていた。


世の中『ピンチはチャンス』と言われるが、どんだけポジティブ思考やねん。『ピンチはピンチ。時間が経過するほど大ピンチ』でしかない。


しかし、結果的に今回を乗り切ったのは経験値としては大きかった。

なんたって、まさかこの後、コロナウイルスでこれ以上の壊滅的危機が訪れるとは夢にも思っていなかった。


ホンマにアイツは何なんだ?

アイツだけ人生2周目なのか?

アイツ1人だけクロノトリガーの『強くてNEW GAME』状態なのか?

先を読みすぎやろ。