80年代の英国と日本の有名ハードコア・2バンドの名前を大胆にミックスし、自らのバンド名に冠した事で日本でも一部で話題となった、マレーシアのD-beatハードコアバンド・DISMが2017年の秋にアルバム発売記念ツアーの一環でタイ王国第二の都市・私が住むチェンマイに来た時の話を書きます。
2017年6月に大阪のPiPiがチェンマイに来た後くらいから、チェンマイPUNK代表・ヌイから「マレーシアのDISM、てバンドがチェンマイへライブしに来たい、と言われて日時も指定して来たんだけど、早くフライヤを送ってくれ送ってくれ、て催促の電話が毎日来るんだ。フライヤ作れない?」と会う度に言われていた。
会場や対バンが決まってもいない段階でフライヤを急かすとは、東南アジアのバンドにしては珍しいなー、と思いつつ何でこんな畏れ多いバンド名を付けたのか、と言う事も含め、来た時に訊こうと思った。
今回の会場はチェンマイ国際空港にやや近い、昼間は企業の倉庫代わりになっていて、夜だけアートスペースに変わる、チェンマイ在住の欧米人が運営する「BOB SPACE」という場所になった。
普段、チェンマイPUNKのライブに来る連中も馴染みのない場所なので、配布用の簡単な地図付きフライヤを作り、出演者達に託した。
ライブ前日の夜、急にヌイから「明日の朝八時にチェンマイ国際空港に迎えに行くから来てくれないか」との申し入れがあり、当日の朝八時少し前に空港に迎えに行ったらバンコクのTHE DIE HARDSが到着しており、既に飲酒している者も。
こんな、変な頭がチェンマイ国際空港にたくさん居るのを初めて見た。
バナーと共に記念撮影した後、宿泊先へ向かった。
宿泊先は私の家から徒歩圏内のMojito Guest Houseだった。ヌイの友人が経営しているらしい。
六人一部屋なので、ツアーバンドが宿泊するのにちょうど良い場所であった(が、残念ながらこの宿は既に閉店済み)。
続いてクアラルンプールからのエアアジア便でDISMが到着するので再度、空港へ。
さっきと同じ場所にいたら、空港のセキュリティーにすぐ退去するように言われたが、ちょうどDISM・御一行が到着したので急いで私の車に乗せて、彼らの宿へ向かった。
信号待ちで車内を撮影。DISMは五人編成、うち二名は今回は奥さん連れだった。
宿はチェンマイ旧市街から南の方へ行った場所に位置していた。
バナーと共に記念撮影。
私とドラムのZamだけでも撮らされた。
一度、部屋に荷物を置きに行く彼らを外で待つことに。
DISMの音源「WARMAGEDDON」のカセット+CDRの両方のバージョンを頂いた。有難うございます。
彼らはモスリムなので、ハラル対応のレストランが多いチャンクラン通りへ出て、AM10:30でも既に開いている店に入った。
「ヒデキ、2-3年前にRumah Apiでドラム叩いてたよね。その時、観てたよ」メンバーのうち二名に言われた。
2015年春にクアラルンプールのRumah Apiで地元の連中と企画を行った際に、大阪のScrewballのヘルプで出演した時に会場にいたそうだ。
軽い食事を済ませた後、しばし観光がてらお堀沿いをドライブして、チャンプアック門近くのポンチな楽器店に入ってみた。
旅行気分でご機嫌なDISMのメンバー、お土産ついでに変な打楽器を購入していた者がいた。
その後、お堀沿いから見える大仏のあるワット・ラジャモンティアンへ。
上の画像・真ん中のKhalis(ギター)は幼少の頃、親の仕事の関係でタイに住んでいたそう。
仏さんの前でチョケたポーズの者(ベースのChex)がおり、罰が当たったら困るので「客人なんで許してください」とタンブン(合掌・礼拝し寄進する事)しておいた。
そして、お堀を挟んで向かいのワット・ロークモーリーへ。
暑いので、エアコンがよく効いたリンピンスーパーへ寄って皆さんの買い出しをしてから宿へ送った後、自宅へ戻りTHE DIE HARDSを迎えに行くPM6:00に間に合うよう数時間、寝てから時間通りにTHE DIE HARDSを迎えに行くと「髪を立ててるからあと30分、待って」との事。
えぇー、そういう事なら先に連絡して来いやー。
なのでスコールの中、そのままDISMを迎えに行って会場まで送り届けた。
開演予定時間のPM7:00を過ぎてもまだサウンドチェック中だったが、雨の影響で客足も遅いと思われるので問題ないだろう。
その後、THE DIE HARDSを迎えに行った。
この時は会場まで確か9人、乗せたはず。
今回の会場・BOB SPACEは広いので、物販スペースも広く取る事が出来た。
PM8:30にライブはスタート、一番手は2016年2月にアメリカのThe Elected Officialsがチェンマイに来た時も出演していた、タイ北部独自の文化・伝統が色濃く残る、チェンマイから車で3時間の街・チェンライのSAEM。
いわゆるパンクではないが、ノリの良いタイ・ハードロックで観る者を沸かせた。
続いてチェンマイのニュースクール系ハードコア・MEANING IN ME。
そしてバンコクのSTREETPUNKバンド・THE DIE HARDS。
彼らのライブを観るのは五年振りだったが、圧倒的な成長を見せてくれた。
この日の一等賞は彼ら、THE DIE HARDSでした。
THE DIE HARDSは、2011年春にBRONZE FIST RECORDSからリリースしたオムニバスCD「JAPAN-THAILAND CONNECTION 2011」に参加しております。
THE DIE HARDSの動画をお楽しみ下さい。
さて、2016年夏からここチェンマイで、私がドラムを担当しOi!/SKINHEADバンド・LANNA GLORYをやっていたが、ボーカルのマイが真面目に練習に来ないので2017年7月のライブを最後に辞めさせ、この日は出演しないことになり、LANNA GLORYの名前が記載された最初のフライヤはFacebook上から削除してもらった。
…のだが、チェンマイPUNK代表・ヌイから「マイが、どうしてもライブ歌いたがっている。出演出来ないか」と申し入れがあった(ヌイは実家が同じ町内で、兄貴分でもある)。
だが日本だろうがタイだろうが一度、見切りを付けた人間をすぐに許す事は周囲に示しがつかないので「今回は、やらへん」と固辞した。
当日、なぜかLANNA GLORYのベースが自分の楽器を持って来ていたの(ギターはこの日、出演のTHE SUFFERERと掛け持ち)を見て「あー、オレ抜きでヌイがドラムでストンパー191(ヌイとマイが以前、やっていたUK Oi!のカバーバンド)名義で出演するのか」と気付いた。
結果的にはイベントの時間が大幅に押したので、ストンパー191も、ヌイのバンド・CHAOS DAYもこの日は出演しなかった。
アラフィフのおっさんが疎外感でヘソを曲げると大変な事になるので、彼らは実に幸運だったかも知れない。
…いや、冗談ですよ。
その、件のマイも会場に来ていて「ヒデキ、バーベキューあるよ。美味しいよー」といつものように気を遣って、会場の外で売っている豚串・鳥串を薦めてくれてはいる。
決して、悪い人間ではないのは理解している。
さて、四番手がマレーシア首都・クアラルンプールから来たD-beatハードコアバンド・DISM。
彼らも、東南アジア地域に何バンドか存在する、日本のCrust/D-beatバンドの影響を大きく感じさせるバンドの一つ。
各々のメンバーは過去そして現在もいくつかのバンド(後述)でプレイしており、安定した演奏力・ステージングでした。
THE DIE HARDSに比べて写真が少ないですが、動画をお楽しみ下さい。
AM0:00で音出しを止めなければいけないが時間が押したので5バンド目、チェンマイのニューススクール系ハードコアの中心バンド・THE SUFFERERがトリになった。
着実にコンスタントにライブを重ねているだけあり、観る度に演奏もタイトになっている。
ライブ終了後、しばし物販席でまったりした後、DISMのメンバーを宿へ送り届け、大人しく帰宅。
翌朝、AM8:30に起床し、この日のライブの地・バンコクへ向かうDISMをチェンマイ国際空港へ送った。
空港までの道中、わざわざ頭文字・GのCDを車内BGMにしたが反応がないので「おい、〇〇〇やぞー」と言うとようやく「お、おぉー!」とメンバー全員、反応した。
何故、このような大胆なバンド名にしたのか訊ねたら、単に「好きだから」との事でした。
彼らの街・クアラルンプールへは時々、行く事もあるので再会を誓い、この日のライブの地・バンコクへ向かう彼らを見送った。
今もメンバー・5人全員、たまにFacebookで連絡をくれたり、義理堅い連中です。
さて今回、彼らから何枚か音源を受け取りました。
その内、下記はDISMのボーカル・Helmieがバンコク在住のタイ人と一緒にやっているPSYCHO SICKNESSの、英国の80'Sパンク復活組・DOGSFLESHとのカップリング音源です。
収録曲は、Helmieが観光で大阪へ来た際に街を歩いていて見つけたスタジオでミックスを行ったらしいが、スタジオ名や場所はもう憶えていないそう…音源のミックスなのに、ノリがまるで角打ちのようで面白い。
REVENGE RECORDSとPUNK AND DESTROYに入荷していましたが、現在、日本国内で入手出来るかどうかは分かりません。
そしてギターのKhalisがやっているOi!/STREETPUNKバンドのCDR・THE DICKSONS「Riot In The City」。
おそらく今もTIME BOMBで入手可能だと思います。
先日、マレーシアの老舗ハードコアレーベル・Basement Recordsのオーナーがいきなり「ヒデキ、THE DICKSONSてOi!バンドはカッコいいよー。知ってる?」と連絡して来たほどなので一度、ライブを観てみたいです。
さてこの一週間後、イベントの主催者・ヌイより、DISMとTHE DIE HARDSを空港や会場へ送迎したりサポートした事に対し(今回に始まった事ではないが)イベントTシャツを御礼に渡したい、との事でサンデーマーケット近くの、いつも集まる酒屋前の路上飲みスペースへ行った。
ヌイは今回のイベントで、日本円に換算して二万円以上の赤字を一人で負担したそう。
前にも書いたが、やはり彼は今までに私が出会って来たタイ人たちとは一味違う。
そう言えばバンコクから来た若い衆が、会場前に駐車していた近隣の会社のトラックに赤スプレーで派手に落書きしたため、それを消すための費用を会場経由で請求された数千バーツもヌイが立て替えたそう。
後日、THE DIE HARDS経由で落書きの張本人にちゃんと支払わせる事が出来たそうだが、こういう事があると活動の場が制限されてしまうんだな…バンコクに比べて、民度が低い者が音楽シーンに極めて少ない事もこの街・チェンマイの特徴である。
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1. 嵬峨 - 成る
2. 嵬峨 - 揺るぎなき
3. QUESTIONS AND ANSWERS - Boys In Blue
4. QUESTIONS AND ANSWERS - What Am I Gonna Do?
5. QUESTIONS AND ANSWERS - Nobody Cares
6. THE JOiNTED - 男道
7. THE JOiNTED - 打鐘
8. SHOWDOWN - Hope
9. SHOWDOWN - The Power
10. 郷士 - 花
11. 郷士 - 力ある限り
12. ブルヘッド - 混沌とした世
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