Bromptonで秘湯へ行こうシリーズ。乗鞍岳の中腹、乗鞍高原に極上の湯があると聞いて、早速ブロンプトンで行ってみた。乗鞍高原温泉「せせらぎの湯」という。この一帯に源泉を供給している「乗鞍温泉供給公社」が運営してくれている。無料だ。しかし表示も殆どないので知る人ぞ知る秘湯ということである。

 

本日早朝、新島々駅にて5時18分発乗鞍高原行きのアルピコバスに乗り込む。相変わらずこの男は朝が早い。上高地へ向かう道の途中、前川渡というところで左へ折れて橋を渡る。

 

乗鞍岳が見えてきた。

 

と、ここが「コロナ連絡所前」という謎の名前のバス停である。バスを降りる。

 

 

コロナ連絡所前バス停からはブロンプトンで約30秒だ。この砂利道を100メートルほど行ったところにその秘湯がある。

 

せせらぎの手前にこんな建物が現れた。

 

せせらぎの湯は渓流沿いの大岩の傍らにある。秘湯感たっぷりに作ってある。作った人の秘湯好きが見て取れる。尚、湯はこの大岩から湧き出している訳ではなく、乗鞍温泉の他の温泉と同様、7キロ先の湯川源泉からの引き湯だ。


 

引き湯にもかかわらず、湯はこの上もなく新鮮である。また、湯の花の量が尋常ではない。火山特有の酸性が強い湯だ。温泉通好みの極上の湯といってもよいのではないだろうか。湯の透明感ある白さと相まって日光の加減によっては青白く見えて美しい。但し、酸性が強くて長湯すると肌がヒリヒリしてくる。

 

朝から上々の気分だ。他に二人の温泉好きがやってきた。オジサンとオニイサンだ。オジサンは学生時代にこの湯が混浴の野湯の時代から知っていたという。もう一人は宮城出身で、お勧めの秘湯はと聞くと「東鳴子温泉のまるみや旅館」とのことだ。オジサンが聞き間違えて「丸見え?」と大きなリアクションだった。違います。三人で温泉談義を楽しみながらあっというまに小一時間が過ぎた。

 

乗鞍温泉が成立したのは1976年と比較的新しい。乗鞍岳山腹にある源泉は古くから知られており、昭和初期には湯の花採取を行う湯畑が源泉付近に存在したらしい。但し、源泉の有る場所が乗鞍高原から距離7キロ以上標高差500メートル以上の人里離れた山奥にあり、地理的に引き湯が難しかった。この悪条件を漸く克服して引き湯に成功したのが1976年だ。

 

ところで、本日の目的は秘湯だけではない。バスで乗鞍山頂近くまで登った後、乗鞍スカイラインをブロンプトンで平湯温泉まで標高差約1500メートルのダウンヒルだ。次へ急ごう!

 

乗鞍スカイライン へ続く)

 

 

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