ウムラウトの「Techno」が終演した。
日大芸術学部の面々。演出・演技・照明・音響・美術・制作・舞台監督、学習してきた人達なので、その点では真面目で安心して任せられる。
斬新な美術、プロジェクターを駆使し、舞台構成は面白い。「ここは未来・・・」という台詞から始まる。
先週が、少し年齢層が高い「寝盗られ宗介」だったこともあって、まったく違った芝居で変化があって、小屋番の私としては大いに楽しませて貰えた。
この前、明治座を見てきて、また縁あって歌舞伎を見るチャンスに恵まれた。歌舞伎座の幕間は大変忙しかった。3回の幕間があった。両親が長唄をやっていたので三味線の音は馴染んでいる。小学校5年生まで日舞もやらされていたので、割と日本の芸能には詳しい方だと自負している。
また、今現在の私の頭の中が来年2月のブローダーハウス3周年記念の企画の事で一杯なこともあって、今回の明治座と歌舞伎は興味深く観劇した。一緒に行った友人が能楽の家元夫人でもあり、話も興に乗った。2月は昨年好評だった「瞽女唄」関連で3週連続公演の予定を立てている。まだまだ現実になるか公表は時期尚早である。そういった頭の構造の時に、日本の芸能を見るチャンスに恵まれ、またブローダーハウスでは、大衆芸能の一座を舞台にした「寝盗られ宗介」というのも縁であった。
歌舞伎などは、この数十年まったく観ていない。観たのは20代の頃ではないだろうか。かったるい、年寄りの見るものだと思っていた歌舞伎がこの歳になると、妙に身体に心地がよい。我ながら年を取ったものだと嘆くも、やはり、伝統芸能は捨て置けぬと思う。
今回のTechno、これは演じるのも若者、観るのも若者、仲間内だろうが観たお客様もたぶんすごく納得し共感したのではないだろうか。ゲネを観た私は、なんとも言えない寂しさを禁じ得なかった。芝居の内容である。20代の頃の若者の未来への不安、現状への不満が表現される舞台。アイデンティティの確立に藻掻き苦しんでいる若者像と受け止めた。
その公演日と同時にNHKでは3日間に渡りSAVE THE FUTURE という特集番組をやっていた。
環境を守ることは、私たちの未来、
さらには、この地球に暮らすすべての生命の未来を守ること。
あなたには、守りたい未来がありますか?
過去を守る伝統芸能、そしてそれは未来へ繋がっていくのだろうか。どういう未来が待っているのか。あまりにいきすぎ、正義も、誠心も、一番大切なものを忘れてしまった人間に未来はあるのか。不安な若者の気持ちは痛いほどわかる。
瞽女唄に関しては微力ながらもせめて未来へ繋げていこう、いかなければならない、未来がどうであっても。いままで先祖が作り上げ伝えてきた芸能を次代に伝えなければと今、義務感を感じている。とにかくそれが我々の年代が出来ること。この先、若者が受け止め守っていってくれるかは知らない。絶滅危惧種の動物のごとく消え去りそうな芸能も同じように守らなければ。途絶えてしまってはもう生き返れない。取り返しがつかない、なんとか生き続けさせなければ・・・そう思っている。