今日は、ロンスマさんの英国ガーデンをめぐる旅第三弾をお届けします!
さて、いよいよ始まった北イングランドの英国ガーデンをめぐる旅。
最初の目的地は、チェシャー州にあるアーリーホール&ガーデンズ(Arley Hall & Gardens)でした。
イギリスのお庭ではベスト10に、ヨーロッパでもベスト50に入るといわれている人気のガーデンだそうですよ。楽しみ!
駐車場から入り口に向かう手前で、私たちを最初に迎えてくれたのが、このシナノキ(菩提樹の仲間)の並木道(Pleached Lime Avenue)でした。
今回の旅で初めて知ったのですが、お庭にあっても、こういう広々とした並木道のことをアベニュー(Avenue、大通り)と言うそうです。
アベニューというと車がたくさん通っている大きな道路を想像していたので、緑の中の「大通り」というのが新鮮で面白かった♪
この後に訪れたお庭でも、たくさんの「大通り」がありましたよ。
このアベニューを通った時はちょうど雨上がりだったので、緑がさらに目にまぶしく美しく映りました。
さて、入り口で穏やかな感じの庭師の方にお会いして、いよいよお庭の見学です。
庭師の方に直接お話を聞けるなんて、なんてゼイタク♪と感激しつつ、ジャーナリストの皆さんと同じようにメモを用意して、いざ、取材!笑
入り口を入るとまず見えるのが、この赤レンガの建物が印象的なお屋敷です。
このアーリーホールは、15世紀の終わりからずっと同じご家族が所有している歴史あるカントリーハウス。
ご家族が住むために建てられた今のお屋敷は19世紀後半のもので、お庭が今のような形になったのも19世紀だそうです。
私たちが行った土曜日には結婚式が入っていて、残念ながらお屋敷の中は拝見できませんでしたが、イギリスらしく木のパネルがはめ込まれた壁や、装飾のほどされた天井など、とても美しいようです。
がっちりした外観からは想像できないきらびやかなお屋敷の様子、ぜひこちらのページからご覧くださいね。
それにしても、こんなすてきなお屋敷で結婚式なんて、優雅でいいですねー。
私ももう一度行って、ぜひこの目でお屋敷の中を見てみたいです。
お屋敷も立派ですが、やはりここはお庭が有名なところ。
先ほども言ったように、ここは個人のお宅ですが、現在の領主であるアッシュブルック子爵のお母様がガーデニングに熱心な方で、1960年代に素晴らしいお庭を一般にも公開し始めたそうです。
庭師の方のお話では、公開当初は週に1日だけだったものの、人気が高まるにつれて2日、3日・・・と増えていったそう。
カントリーハウスの持ち主がその場に住みながら立派なお屋敷やお庭を一般公開するというのは、イギリスではよく聞く話ですが、こういう具体的な歴史を知ると、試行錯誤して話し合うほほえましいご家族の様子を想像して、ますますこのご家族やお庭に親しみを持っちゃいますね♪
そして、お屋敷のすぐ近くにあるのが、アーリーホール&ガーデンズで一番有名と言ってもよさそうなdouble herbaceous border(両側に宿根草が植えられているボーダーガーデン)。
あら、お天気があまり良くなかったので写真がイマイチ。
ここはチェシャー観光協会に資料にいただいた写真を使わせていただきましょう。
こちら!
© Marketing Cheshire (資料提供:Marketing Cheshire)
両側いっぱいに宿根草のお花が咲いています。
背丈の低いものから手前に植えて、だんだん背が高くなるデザインで、色や形も同時によく計算されて植えられていて、イギリスのお庭ではよく見るお花の植え方。
が、この植え方を「ボーダー」って言うのは、今回初めて知りました!
イングリッシュガーデンの典型的な形と言われているこの「ボーダー」という植え方、もうちょっと近寄ってみましょう。
これはアーリーホール&ガーデンズの他のお庭で撮った写真です。
色も形も背の高さも様々で、見ていて楽しいですよね。
この典型的なイングリッシュガーデンの植え方をアーリーホール&ガーデンズが取り入れたのは、イングランドの中でもかなり早い時期だったとか。
もちろん、どの季節に花が咲くのかもちゃんと計算してあり、四季を通じてそれぞれの良さが楽しめるそうです。
宿根草が植わっていると言っても、ただこのままにしておくのではなく、2年おきぐらいに新しく植え替えて、気持ちも新たにするのだそうで、お庭のお花を本当に楽しんでいる様子が感じられました。
このお庭で結婚式をする時には、両側にお花が咲き乱れるこの道を花嫁さんがお父さんと一緒に歩くそう。
お花に囲まれた明るい結婚式を想像して、とても幸せな気分になりました。
そのすぐそばにあるウォールドガーデン(Walled Garden、塀で囲われた庭)の入り口。
もともとはキッチンガーデン(家庭で食べる野菜やハーブ用の菜園)だったそうですが、今はきっちり整えられてお花や植物が植えられていました。
アーリーホール&ガーデンズでは、常にご家族のご希望が反映された庭づくりがされていたそうで、だからどこか温かいぬくもりがあるのかなと思うのです。
庭師の方のお話を伺っていても、「先代の奥様は」とか、「ご家族の結婚式の時に」なんていう言葉がよく出てくるんですよ。
だから、このバラは誰々が植えてほしいって言ったんだよね、とか、ここで誰々が転んだよね、なんていうご家族の思い出を勝手に想像して、温かい気持ちになるのかもしれません。
「先代の夫人がバラがお好きだったので、たくさん植えた時期もあるんですよ」なんていうエピソードをうかがうのも楽しかったのですが、今は庭師の方が自由にデザインできる場所があったり、ボランティアの方もたくさんお手伝いに来たりしているそうで、ご家族の情熱だけでなく、地元の方のガーデン愛にも支えられているんだろうなと思いました。
そして、こちらはティーコテージ(tea cottage)と呼ばれているところ。
やはり手前は両側がボーダーガーデンになっていますね。
そして、こちらも有名なIlex Avenue(セイヨウヒイラギガシのアベニュー)。
円筒形に刈り込まれたのセイヨウヒイラギガシの並木道です。
なんだか不思議の国のアリスがかくれんぼでもしていそうで、嬉しくなりますよね。笑
でもお手入れはなかなか大変で、7対の木を刈り込むのに丸2週間もかかるそう。そして手前のラベンダーの植え込みも、芝を丸くカットした形が美しくてほれぼれしちゃったのです。
やっぱりプロの仕事は違いますね。
と、思っていたら、先ほど話にも出たボランティアの方々が苔を取っているところに遭遇。
霧雨が降る中、根気よく作業していらして感激でした。
やっぱり、隅々まで行き届いているのは、こういうガーデン愛あってこそ、ですね。
そしてこちらがフィッシュガーデン。
なぜにフィッシュかというと、池があるから。
ユーモラスなネーミングですね。
ここは庭師の方が自由にデザインできるお庭だそうです。
庭師さん、腕の見せどころ♪
すでにいろいろな顔を見せてくれているお庭ですが、私がここで一番好きだったのがこのThe Rootreeというお庭でした。
典型的なビクトリア朝のガーデンだそうです。
特にこれといった仕掛けや置物があるわけではなく、どちらかというとただ鬱蒼と茂った草や花をベンチでのんびり眺める感じなんですが、これがすごく良い雰囲気だったんです♪
産業革命が始まった時代の人たちは、慌ただしい毎日に疲れて、こんな風に自然に帰ろうとしたのかなーなんて思ったりして(私の妄想です!笑)。
私はあまり飾らないお庭が好きなので、ここをいつまでも歩いていたい気分でした。
と、この辺りでずっと霧雨だった雨が強くなってきました。
葉っぱに落ちる雨つぶもきれい。
これまでもしとしと降っていたのですが、かなり強くなってきたので、私たちも温室に避難することになりました。
でも、あら、ふと気づくと、この記事もなんだか長くなっていました。
初めて訪問したお庭だったので、ちょっと興奮しすぎたかもしれません。笑
アーリーホール&ガーデンズの美しいお庭の続きは、また次回にしましょう。
次は温室やかわいいお花、天井の高いカフェでのランチをご紹介します。
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↓過去記事はこちら↓
『北イングランドの英国ガーデンをめぐる旅 300年前に生まれたケイパビリティ・ブラウンって誰!?』
『北イングランドの英国ガーデンをめぐる旅2 出会いの夜はCrange Hallホテルで』
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